ユーザー獲得戦略でみられるシフト
アプリのユーザー獲得を加速させる最善策とは何でしょうか?それはソーシャルメディアというのが、ここ何年にもわたっての答えでした。理由は単純明快で、膨大な人々が Facebook や Instagram などのサイトで時間を使っており、手頃な費用で良い結果が得られるためです。
しかし時を経るにつれ、ソーシャルメディアを通じたユーザー獲得は大幅にコストが上がり、競争も激しさを増しています。一方で、その効果は低下しています。一部のソーシャルメディアプラットフォームでは数字の伸びが頭打ちになっています。
こうした中で新規ユーザーを獲得する最良の方法とは何でしょうか?ソーシャルメディアの利用を完全にやめる必要はありませんが、ほかのネットワークを試して、成長に向けた新たな機会を探るべきではないでしょうか。
今回は、ユーザー獲得促進に向けて新たなネットワークをテストする上での心得を説明します(注:なお、実際の作業や取り組みは、マーケティング対象のアプリの種類によって微妙に異なります)。
オープンマインドでテストに臨むべし:どのネットワークもパートナーも三者三様です。ただ、そのそれぞれが、あなたの成功を望み、予算を投じて自らを利用し続けてほしいと考えています。テストのアプローチがこれまでのやり方や期待しているものと大きく異なったとしても、テストを成功に導くためには、特にテストのスケジュールやキャンペーンの要点などパートナーの推奨に耳を傾けてください。CPI、ROAS、インストール数などあらゆる事柄が、ネットワークによって大きく異なる可能性があります。どれが上手く作用するかはテストをするまでわかりません。テスト費用を確保し、先入観を捨ててそれぞれのテストを実施しましょう。
ネットワークに期待するものを明確かつ妥当に示すべし:例えば、30%の広告費用対効果(ROAS)を期待しているのであれば、事前にそのことをパートナーに伝えます。ユーザー獲得の目標を事前にしっかりと掲げ続けることは、キャンペーン計画を構成する上で重要です。ネットワークが小さいためにそうした目標を達成するのが難しければ、そのようにネットワーク側が伝えてくれるはずです。また同様に、期待値を大きくしすぎないようにすることも大切です。新たなネットワークパートナーには、これまでに成果の高かった上位3つのパートナーについて伝えます。それらのネットワークが達成した ROAS 目標ならば、新たなパートナーにもそれを実現することが可能なはずです。同じように、CPI の目標も妥当な水準とすることが大切です。
十分なテストが実施できるような予算を確保すべし:ネットワークによって最適化の方法は異なります。500人のユーザーが一定のアクションまでコンバートしてから最適化に至るアルゴリズムもあれば、その人数が2,000人に設定されているアルゴリズムもあるかもしれません。2,000人のコンバージョンはより多くの時間と費用が必要になるかもしれませんが、最適化でより高い成果が得られる可能性があります。したがって、テストするそれぞれのネットワークに応じて、異なる予算や時間を振り向ける必要があります。また、特に課金ユーザーの獲得を目指す場合などは、ROAS 最適化のユーザー獲得モデルを据えることが重要になります。
忍耐強くテストを実施するべし(各アプリに応じて異なるテストが必要になるため):異なるタイプのアプリのコンバージョンにはそれぞれに応じてかかる時間も違います。例えば、チャットアプリのプロモーションの場合、コンバージョンはファネルの上位のほうで発生し、極めて早い段階でデータを収集できるので、スピーディーにテストで成果の度合を判断することができるはずです。
テストしている新たなネットワークが6週間程度経っても最適化していなければ、問題があると考えられます。広告ネットワークはデータを持っているので、最適化は迅速に行われるはずです。
ただ、より複雑な目標を持つアプリも多数あります。例えば、銀行アプリの目標は最初の入金かもしれません。こうしたコンバージョンの場合は、達成と必要なデータ収集までにより時間がかかります。入金に至るユーザーはわずか2%程度で、なおかつそれが実現するまでにも数日ないし数週間かかる可能性があります。したがって、コンバージョンまでに時間がかかるだけでなく、最適化に至るユーザー群が相対的に小さいということになります。
特定の期間にわたってテストをモニタリングすることが必ずしも必要というわけではなく、アプリに応じたコンバージョンの必要最低水準に達することが、ネットワークが最適化されてベストな形で機能する上で重要ということです。
異なるクリエイティブとフォーマットをテストすべし:様々なフォーマットやスタイルの広告があれば、それらをすべてテストすべきです。ネットワークはたいてい AI やアルゴリズムを活用しているので、これらが、最も効果の高いクリエイティブを特定するようサポートし、それらを効果の低いものよりも高い頻度で表示するようにしてくれます。また、ほかのアプリに対して有効な広告ユニットのタイプ(動画、バナー、プレイアブルなど)を調べ、それらのフォーマットをより確信をもってテストに盛り込むことができます。
成果がみられないテストを長期で続けるべからず:数週間あるいは数カ月など、目標に応じた妥当なテスト期間を経たら、成果を評価します。スケールを実現できていなければ、ネットワークについて慎重に検証すべきです。ネットワークが透明性のある情報と競争力のあるレートを提供しているにもかかわらずキャンペーンでの伸びがみられなければ、そのネットワークは最適ではない可能性があります。担当のアカウントマネジャーがいるようならば、詳しい説明を求め、得られている成果がプロモーションしているアプリのタイプで想定されている水準なのかどうかを確認します。たいていは、自らのオファーがそのネットワークで競争力のあるものなのかを早い段階で見極めることができるはずです。
場合によっては、スケールできているものの、パフォーマンス目標に達していないということもあるかもしれません。例えば、テスト予算を適切に投じ、最適化したキャンペーンの段階まで達し、ネットワークが推奨する期間にわたって最適化キャンペーンを実施できている状況にもかかわらず、目標を達成できないとします。こうした場合には、そのパートナーとしっかりとオープンな議論を行う必要があるでしょう。
テストでプラスの ROI を拙速に求めるべからず:ユーザー獲得で新たなネットワークをテストする際には、目標を明確にパートナーと共有し、ROI がプラスとはならない点を理解しておく必要があります。今後決して ROI がプラスにならないという意味ではなく、目標を達成してそれを実現するまでには時間がかかることを理解し、まだ学びを得る段階だと認識しておくべきということです。つまり、最初のテストで ROI がプラスにならなくても焦る必要はありません。初期の段階で考慮すべき重要な指標はほかにもあり、利益はまだこの段階ではそれに含まれません。早い段階での主な目的は、観測し、レポートを行い、今後に向けた知見を蓄えることです。
もちろん、マーケティングをしようとするアプリのタイプによってテストの種類や方法は異なりますが、この初期段階のルールは概ね共通するものです。新たなパートナーに対してオープンな姿勢で誠実に向き合い、偏見を排してすべてのテストに臨みましょう。科学者が実験を行うように、先入観無しに観察し、結果を求めることです。新たなネットワークで驚くような結果が得られることもあるかもしれません。
新たなネットワークやチャネルのテストを続け、マーケティングプログラムを成長させ、その過程で多くの新規ユーザーを獲得できれば素晴らしいことです。
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